ザックス

まあ兎に角そういう事だったのだと蛭魔が気付く頃には
時既に遅し、まさにそんな事態に陥っていたわけだ。
流石の蛭魔もその事態には戸惑った、顔には出さずとも。
は宣戦布告したわけだ。面と向かい。

「何戸惑ってんのよ」
「こりゃあ呆れてるっつーんだ糞女」
「呆れてんのはあたしも同じ」
「ほぉ。そりゃあ何にだ?」
「あんたが意外に奥手なトコ」

だからあたしが先に動いてあげてるんでしょう。
そこでまず一つ気付く。
何故マネージャー(蛭魔曰く糞マネだ)が早々と帰った理由。
他の面子が叩き出された理由。

「安全策がお好き?」
「いいやぁ・・・」
「臆病よね、その割には」
「だーれが」
「あんた」

似合いもしない真似をしているを見ながら
少しは責任なんてものを感じてみたりする。
は使えない女だ。確実に。

「どこまでやれんだ?」

ギイッと椅子が軋み蛭魔がこちらを見ている。
腹を括ったのだろうか。

「どこまでもやれるわよ」
「ケケケ・・・」

呆れたように笑った蛭魔が少しだけむかついて一歩踏み込めば
思いがけず腕を捕まれ重心がぶれる。
そのまま身を任せれば蛭魔の真上に落ちていけるからだ。
もうどうにでもしてよ。

もうどうにでもしてよって。あんた。
これを実家で書いた時点でどうにかしてるよね。
弟が・・・全巻集めていたんです・・・