このおとこ、このおんな

ああ、だとかうん、だとか。
兎も角小さな声で現状を把握した恋次は
少しだけ俯いたがじきに顔を上げた。
隣で眠っていたはゆっくりと目を開け
動揺を隠せはしない恋次の姿を目の当たりにし
溜息さえ吐き出す。

そんな顔しないでよ恋次、そんな顔。
そんな顔見たくないのよ。

やっぱり泣きたくなってしまった
無様に寝返りを打ち恋次の姿を消す。
何も纏っていない互いの身体は隙間の空いた部分から冷え始める。
この身体はすぐに冷えてしまう。熱を保てない。
ざらついた恋次の手のひらが背中からを抱きしめた。
まだ朝までには時間がある。
恋次の腕がをしっかりと抱き締めた、何を考えて。
内腿に恋次の性器が当たり
妙に生ぬるいその感触のせいか目が覚めた、
の視界には暗闇しか広がらない。
こう抱かれてしまっては寝返りも打てないし
寝付く事も出来ないではないか。 つい先刻の溜息さえ忘れてしまった恋次は
既に寝息を立て始めていた。

何かもう、
実際自分がやられたら最悪だ