いつかどこかの海で

• もうあんたとは終わりだから、
  だなんて前触れもなく言うものだから、流石に思考が停止した。
  
  
  今まさに爆弾発言をした女は、いそいそとブラを付けているところだし、
  床に散らばった服を捜し回っている。
  
  
  ベッドに寝転んだままのドフラミンゴは、咄嗟に身を起こしかけたが堪える。
  片膝を曲げたまま何食わぬ顔をしを見つめた。
  
  
  何だ、いきなり。ふざけてやがるのか。
  
  
  ほんの十分前までセックスをしていた間柄だ。
  それなのにピロートークも何もありゃしねェ。
  どうかしてやがる。
  
  
  この俺が言うのも何だが、情緒がいかれてるんじゃねェのか。
  このバカ女は。
  
  
  他に男が出来たのかを遠回しに探るも、
  当然は何も答えない。
  
  
  いや、馬鹿言え。
  俺だって別にこの女がどうだとか、そんな湿っぽい話をしてるんじゃねェ。
  
  
  元々、海軍本部で将校をしていたこの女は正義の二文字が泣く位、忠義に薄く、
  正直な所この俺が手を出さずとも何れはこうなっていたはずだ。
  
  
  海軍側はどうにか隠し通したようだが
  (大方、任務中に死亡した事にでもしたのだろう)
  現役の将校が謀反し海賊側に寝返ったのだ。
  相当な事態だ。失態だ。
  
  
  組織が大きくなればなるほど、末端は腐る。
  は非常に腐った、利己的な、こちらに都合のいい女だったはずだ。
  
  
  だから今だって化粧直しに余念がなく、
  この部屋を出て行く準備を着々と済ませている。
  
  
  この女には随分といい思いをさせて貰ったが、
  その倍は確実にいい思いをさせているはずだし、まるで採算が取れない。
  投資した分のペイは済んでいないはずだ。
  だなんてこちらも皮算用を弾いてしまう。
  
  
  この女に対して、執着はあるが愛はなく(それだって随分子供染みた真似だが)
  他の男に鞍替えするつもりなら、まあ嫌がらせの為に
  その相手を殺しとこうかなくらいのドライな関係のはずだ。
  
  
  なあ、そうだろ。。
  
  
  
  「何よ」
  「あ？」
  「そんなに好きでもなかったでしょう、あたしの事」
  「他所よりうちは高待遇だぜ」
  「何よ、言いたい事があるんなら直接言って」
  「何がだよ」
  「あたしと別れたくないんだったら」
  「バカ言え」
  
  
  
  思い上がるんじゃねェと言うのに、
  このという女はズケズケとそのような事を口にするものだから、
  何だかこちらもイラッとしてしまい、売り言葉に買い言葉だ。
  バカな真似をしちまって、
  
  
  
  「いいのか？…」
  「何が？」
  「そのドアに手をかけた瞬間から、お前は俺の敵だぜ」
  
  
  
  だなんて言っちまって、気づけども時すでに遅し。
  またでたよ、という顔でこちらを見るのあの眼差し。
  ぶっ殺そうかと思ったぜ。
  
  
  
  「あんたそういうとこ、」
  「ダセェな」
  「そうよ」
  「確かに、そりゃそうだ」
  
  
  
  悪かったと呟き、好きにしろと促す癖に、
  返す刀で幾らなら仕事を受ける、だなんて聞く俺はやっぱりどうにかしていて、
  仕方がないわねと笑ったの背を、ベットの上から見送った。
  
  
  
  
  
  
  
  

  久方振りのドフラミンゴです

  何故なら、最近8年振りくらいに

  海賊熱が再燃しそうだからです！！

  ドフラのとこ終わっちゃってるから

  ちゃんと読まないといけないんだけど。。。

  海軍を裏切ったと思われてるけど

  実際はスパイかも知れないぜという話

  
  
  

  
  2018/12/17
  
  NEO HIMEISM