この傷もいつか誇れるものになる

• 待ち人は来ないぞと、突然声をかけられ驚いた。
  顔を上げれば杖をついた男が
  不遜と言った面持ちでこちらを見ており二の句に困る。
  
  
  男はジロリとこちらを見据え、そこ、いいか。
  そう言い終わる前に向かいの席に座った。
  
  
  正直な所、待ち人はもう来ないであろうと思っていた。
  終わりっていうのは大体がそういうもので、
  何となく匂わせ、これといった答えも見せずに通り過ぎる。
  
  
  今思えば怪しさ満点の男で、
  出会いはこのカフェ、別れもこのカフェだ。
  
  
  
  「…どういう意味？」
  「どうもこうも、その通りの意味だ」
  「どうして、」
  「あんたはこの二年、毎週火曜と木曜のこの時間に
  　一人でこの席に座って本を読んでた。
  　好きな作家はウィリアム・S・バロウズ。
  　いい趣味とは言えんな、気取り過ぎる。
  　三回に一度は音楽を聴きながら読む。
  　この二年の間、大きくヘアスタイルを変えたのは三回。
  　見る限り、男が変われば髪型も変わる。
  　仕事は自由業、恐らく作家か？」
  「…」
  「例の男との仲は大よそ三ヵ月ってところか。
  　あいつはこの近くにある投資会社の役員だ。
  　ここでよく、可愛い恋人を探してる」
  「！」
  「あんたも、その一人だ」
  
  
  
  薄々気づいていた事実を見知らぬ男に突き付けられ見事撃沈だ。
  彼はオシャレで、見栄えが良く、リッチだ。
  
  
  そんな男がどうして声をかけてきたのか、
  という極めて重要な理由だけは考えないようにしていた。
  
  
  
  「えぇーっと…どちらさん？」
  「ハウスだ」
  「…そのハウスさんが、何？」
  「俺は惨めに振られた女専門の救世主なんだ」
  「えっ、何？」
  「あんたは今の髪型が一番似合ってる」
  
  
  
  いきなり声をかけて来た男はやたらぶっきらぼうにそう言う。
  じっとこちらを見据える目は青く何故だか全てを見透かされそうだが、
  それ以前に色々と既に言い当てられている
  (何なの？この人ストーカー？)わけで動揺は隠せない。
  
  
  私の名前はよ、そう言えば
  符号に興味はないんだと言わんばかりの彼は、
  よろしく、。そう呟いた。
  
  
  
  
  
  
  
  
  

  初めてハウス書いたよー！

  私が世界で一番好きな男、Dr.houseです

  何せ天才診断医ですので

  私は現金な女なのでそういう肩書とか超好き

  まあ、このハウスも件の男と同じで、

  ここで主を落とせるか否かをウィルソンと賭けており、

  ワンナイト有り無し問わず発展はないという…

  次はハウスを好き前提でフォアマンとかと絡ませたい
  

  2019/06/18