旅は道連れ世は情け。
砂煙を巻き上げながらやけに広い道を走れば
何もかもがどうでもよくなる。
今にも焼け付きそうなエンジンは熱を撒き散らし、
マフラー音は低く太く鳴り響く。
大きな石が群れをなすこの土地は人の住むべき地域ではない。
「ん?」
は日よけのゴーグル越しに前方を見ていた。
砂埃臭いここを走っていれば汚れが。
は真っ赤なつなぎを着、ジッパーは全開。
サイズの大きいランニングがやけに白い。
「あっ、おい、ちょっと・・・・・・!!」
広大な荒野の中一人の男が道の真ん中に倒れ伏している。
賊かよ、はブレーキをかけながらゆっくりとそれに近づいた。
「いやぁ助かったぜ」
「あんたあんな所で一体何をしてたんだ?」
「腹が減って死にそうでよ、あんたにゃ感謝しても仕切れねえってな」
「そりゃ結構だ」
俺はエース、あんたは?
そう聞けばだと答える。
やけに重低音のバイクを転がすに偶然拾われたエースは、
この妙な女からそれを上回るほどの奇妙な話を聞く事になる。
ガソリンの匂いが漂いこのに似合っているのか似合ってはいないのか―――――
まだ顔すらよく分からないのだ、エースはの後ろに座ったままだ。
何の話が聞きたい?
【
蒼キ森ノ幻覚等】
【
干上ガッタ水場等】
【
蜃気楼宜シイ轍等】
【
赤キ言霊ノ云々等】
再UP
荒野とかバイクとか好きだったんだ、自分…
それこそ、7年前の自分…!!
2003/11/19